病院長あいさつ GREETING

病院長あいさつ

~病院長挨拶~

 

市立三次中央病院

病院長 立本直邦

 

 昨年4月1日に病院長を拝命し、早1年が経過いたしました。この1年を振り返りますと、あらためて自身の力不足を痛感する日々であったと感じております。病院運営につきましては、私なりに将来を見据えた改革・改善計画を立て取り組んでまいりましたが、なかなか目に見える成果には至っていないように思います。

 全国の自治体病院および公的病院が厳しい経営環境に直面していることは、皆さまもご承知の通りです。当院もその例に漏れず、令和6年度は、約7億円の赤字を計上しております。この要因は、物価高騰や人件費上昇による支出の急増に対し、公定価格である診療報酬による収入が追いついていないことにあります。令和7年度につきましては、増収には取り組めましたが、支出の増加も続いており、現在の診療報酬体系という枠組みの中では、厳しい状況が続いております。

 今年6月の診療報酬改定により、医療費全体では3.09%の上昇が見込まれております。しかし、実質的な物価上昇率が10%を超えている現在、この改定だけで即座に黒字化を実現することは極めて困難と言わざるを得ません。また、大都市圏の大病院や、ロボット支援下を含んだ手術などを数多くこなす高度急性期病院には手厚い加算がつく一方で、当院のような地方の中規模病院にとっては、加算算定も限られるようです。国の施策に対して「地方切り捨てではないか」との懸念を抱かざるを得ない側面もありますが、愚痴をこぼしているだけでは事態は好転しません。現在、一時中断しております「新病院への建替」という一大プロジェクトについては、まずは経営改善を図るのが急務であることに変わりはないと覚悟いたしております。

 さて、本年度は、診療部35名、看護部24名、診療技術部4名、事務部1名、合計64名の新入職者を迎えることができました。依然として薬剤師等の不足という課題は残っておりますが、何か一つずつでも解決を図り、市民の皆さまにご迷惑がかからないようにして参りたいと思います。

 すでに広報させていただいておりますが、4月1日より有料個室料金を一律1,000円(税抜)の値上げを実施いたしました。開院以来32年間据え置いてきた料金であり、苦渋の決断ではありましたが、昨今の電気代、燃料代や経費の高騰を鑑みますと、設備の維持のために避けては通れない道でした。ご理解いただけますと幸いです。

 また、外来診察室を拡充し、診察枠を増やすことができた診療科があります。患者さん一人当たりの診察時間を若干増やすことに結びつきますので、より質の高い患者サービスを提供できるよう努めてまいります。さらに、心臓血管外科の常勤医師着任や、皮膚科医師・眼科医師の増員も、当院の診療機能を底上げする明るい兆しです。

 病院の基本理念である『私たちは、地域の皆様から信頼され親しまれる病院を目指します』にいつも立ち返って職務を全うするよう、職員を導ければと思います。

 皆さまの応援が大きな力ですので、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。

(令和8(2026)年4月吉日)