放射線科 RADIOLOGY

放射線科 検査<核医学検査>

概要

核医学検査(RI(アールアイ)検査)は、患者さんにとって苦痛の少ない検査方法です。核医学検査を行うには、専用の装置や「放射性医薬品」という特殊なくすりが必要です。さらに、専門の医師と診療放射線技師が安全に配慮して行います。患者さんの病状を正確に把握し、より的確な治療方針を決定するために、また治療後の経過を的確に観察するために、核医学検査が必要とされています。
ガンマ線という放射線を放出する少量のくすり「放射性医薬品」を静脈から注射し、検査用のベッドの上で横になっている間に、ガンマカメラという装置で、体の中の様子を画像にする方法です。検査にかかる時間は、20~30分程度で患者さんにとって苦痛の少ない検査です。

RI検査の注意点

放射性医薬品の有効期間は極めて短いため、検査予定日の朝に病院に届いたくすりを、その日のうちに使わなくてはいけません。
検査にかかる時間は、20~30分程度ですが、患者さんにとって苦痛の少ない検査です。
検査の性質上、目的の臓器にくすりが集まるまで、1~3時間待っていただいたり、朝の絶食、服用中のくすりの一時中止などが必要な場合があります。

RI検査の主な検査

・骨シンチグラフィ
この検査に用いるくすりは、骨の代謝や反応が盛んなところに集まります。この性質を利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の診断が出来ます。
骨の核医学検査は、乳がん、肺がん、前立腺がんなどの各種のがんの治療前や治療後の経過を見る上で欠かせません。また、エックス線検査では診断が困難なスポーツ選手の疲労骨折や、骨粗しょう症に伴う骨折の診断でも、核医学検査は役立ちます。

正常例
正常例
骨転移の症例
骨転移の症例

・心臓の核医学検査(心筋シンチグラフィ検査)
心臓の筋肉で血液の足りないところはどこか、その筋肉は治療で治る見込みがあるかを調べるのが、この検査の主な目的です。
心臓は筋肉のかたまりで、からだ全体に血液を送り出すポンプです。常に働き続けているため、たくさんの酸素が必要です。この酸素や栄養は、冠動脈と呼ばれる3本の血管を流れる血管によって運ばれます。狭心症や心筋梗塞は、この冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、血液が流れにくくなっておこります。
つまり、血管の流れが足りない心筋の場所がどこか、その心筋細胞は生きていて、治療で治る見込みがありかを判断するのに、心筋シンチグラフィが役立ちます。

・脳血流シンチグラフィ
脳の核医学検査は、CT、MRIで形の異常が現れる前に機能の異常をとらえます。
現在、最も多く行われている脳の核医学検査は、脳血流スペクトと言われる血流を調べる検査です。この検査を行うと、脳梗塞、認知症、てんかん、脳腫瘍、外傷などさまざまな病気で起こる脳内の血流の異常が分かります。

よくある質問

Q:核医学検査で副作用はありますか?
A:放射性医薬品による副作用はごくまれで、最近の5年間の調査で、10万人あたりに0.9~2.7人と非常に少ないのが特徴です。副作用の程度は,104万件に対して、軽いものが12件となっており、重篤なものはありませんでした。また、副作用の内容は血管迷走神経反応8件、アレルギー反応4件で、症状としては、顔面紅潮、悪心、吐気、めまい、気分不良等がありました。

Q:核医学検査で子供が出来なくなることはありますか?
A:妊娠していると思われる女性の核医学検査は、出来るだけ避けるのがよいとされていますので、検査予約のときに必ずお話ください。