臨床実績 CLINICAL PERFORMANCE
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 405 | 102 | 156 | 226 | 277 | 398 | 1000 | 1460 | 1330 | 471 |
当院は、広島県北地域~島根県南地域の急性期中核病院として幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいております。
高齢化率が35%を超えるようになった県北では、脳卒中・心筋梗塞が多いことが特徴です。また、地域がん診療拠点病院として標準的ながん診療(診断と治療)を行っていますので、60歳以上の患者さんの割合が多くなっています。
一方、小児と新生児・乳幼児の医療を担う病院としても重要な役割を演じています。地域周産期母子医療センターであり備北二次医療圏で出産できる数少ない医療機関でありますし、24時間体制で小児救急を受けております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 122 | 3.70 | 3.01 | 0.00 | 68.26 | |
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | 80 | 4.09 | 2.67 | 0.00 | 68.93 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 78 | 14.35 | 10.08 | 3.85 | 75.50 | |
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 68 | 27.82 | 20.92 | 29.41 | 83.79 | |
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 65 | 22.43 | 17.66 | 12.31 | 83.72 |
一般的にも症例数が多いと考えられる動脈硬化性心疾患や大腸良性腫瘍での入院数は、当然当院でも多くなっています。当院の周辺は高齢化が進んだ地域であり、高齢者の慢性心不全あるいは誤嚥性肺炎の入院数も多いです。誤嚥性肺炎患者においては入院日数も長く、さらに慢性期病棟を持つ施設への転院率も高くなっています。また、胆道系疾患の症例が多いことも当院の特徴と思われます。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし | 43 | 4.40 | 6.19 | 0.00 | 0.91 | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし | 41 | 6.22 | 6.62 | 2.44 | 4.54 | |
140010x199x00x | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 20 | 6.40 | 6.17 | 10.00 | 0.00 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 14 | 7.00 | 12.58 | 0.00 | 0.86 | |
150040xxxxx0xx | 熱性けいれん 手術・処置等2なし | 12 | 2.58 | 3.83 | 8.33 | 2.33 |
当院小児科は小児一般外来、小児の夜間休日救急外来を行っております。
入院は急性気管支炎、喘息性気管支炎、ウイルス性腸炎などが多く、近隣の開業医の先生からの紹介も積極的に受け入れています。
外来では、気管支喘息、てんかんなどの慢性疾患も扱っています。予防接種、乳児健診、低身長の検査入院、食物アレルギー負荷試験も行っております。当院で治療が難しい疾患は、専門の病院に紹介をさせていただいています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 73 | 5.29 | 4.96 | 0.00 | 69.97 | |
090010xx01x0xx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし | 40 | 9.85 | 10.59 | 0.00 | 69.30 | |
060335xx02000x | 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 36 | 6.61 | 7.30 | 0.00 | 58.42 | |
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし | 32 | 12.59 | 11.87 | 0.00 | 70.59 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 29 | 4.83 | 5.49 | 0.00 | 35.34 |
外科の入院症例のほとんどは手術目的の入院です。当院はがん診療拠点病院であることより、悪性疾患では、いわゆる5大がん(=胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝臓がん)の手術症例が中心になっています。また、地域の中隔総合病院、急性期病院であることからも、良性疾患の手術症例=胆嚢疾患、ヘルニア(鼡径ヘルニア、大腿ヘルニア等々)、急性腹症(=急性虫垂炎、消化管穿孔、外傷等々)も幅広く施行いたしております。さらに、透析のためのシャント作製術、腹膜透析チューブ挿入術等も担っております。
なお、悪性疾患に対する化学療法は、ほとんどを外来治療で行っています。終末期医療は、緩和ケアチーム(専門医・看護師・薬剤師で結成)と密に連携を取って行っています。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 141 | 43.93 | 26.30 | 54.61 | 85.57 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 24 | 36.75 | 19.61 | 16.67 | 78.25 | |
160850xx01xx0x | 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 副傷病なし | 13 | 46.46 | 16.24 | 7.69 | 50.46 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 12 | 42.42 | 24.26 | 0.00 | 75.25 | |
160700xx97xx0x | 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病なし | 12 | 23.42 | 6.07 | 0.00 | 58.17 |
高齢者比率が高い地域であり、上記診断群分類別では外傷(骨折,軟部組織損傷など)に対する患者が多いですが、外傷のみでなく人工関節置換術など変性疾患も上位にあります。他施設では珍しい手指や足関節に対する人工関節も行っています。
また、表にはありませんが、外傷のみでなく肩・膝を中心とした鏡視下手術や上肢末梢神経障害などの慢性疾患も含め、整形外科一般にわたって幅広い治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990201 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 33 | 29.45 | 16.16 | 42.42 | 73.36 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 13.55 | 9.69 | 9.09 | 81.91 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 21 | 22.76 | 18.72 | 38.10 | 70.38 | |
010060x2990001 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 18 | 3.11 | 6.59 | 5.56 | 76.06 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 16 | 16.75 | 7.28 | 12.50 | 70.88 |
脳神経外科では、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)・頭部外傷・てんかん・脳腫瘍などを中心に診療を行っています。当院には神経内科がないため、手術を行わない急性期治療が必要である脳梗塞や脳出血も脳神経外科で治療を行います。
また、適応があれば脳血管内治療(カテーテル治療)や開頭手術を24時間対応できるように準備しています。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140010x199x00x | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 92 | 7.07 | 6.17 | 0.00 | 0.00 | |
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 | 69 | 8.81 | 9.70 | 0.00 | 32.29 | |
120170xx99x0xx | 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし | 23 | 11.83 | 19.69 | 4.35 | 28.48 | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 | 22 | 9.05 | 9.87 | 0.00 | 46.05 | |
120090xx97xxxx | 生殖器脱出症 手術あり | 21 | 9.14 | 8.86 | 0.00 | 74.43 |
産科例は正常分娩を主体に切迫早産・既往帝切後妊娠・双胎妊娠・妊娠高血圧症候群・子宮内胎児発育不全などの母体管理、分娩停止・骨盤位・前期破水・微弱陣痛などがあります。
新生児に関しては生下時体重2200~2500g未満の低出生体重児、一過性多呼吸の新生児・新生児黄疸の治療・管理を産科で行っています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 | 254 | 2.96 | 2.84 | 0.00 | 75.86 | |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 | 194 | 5.02 | 5.39 | 0.52 | 77.07 | |
020220xx97xxx0 | 緑内障 手術あり片眼 | 36 | 6.61 | 8.00 | 0.00 | 66.11 | |
020160xx97xxx0 | 網膜剥離 手術あり片眼 | 30 | 10.87 | 9.75 | 0.00 | 65.33 | |
020200xx9710xx | 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 20 | 6.90 | 7.05 | 0.00 | 69.80 |
当科における入院はほとんど白内障手術症例です。次いで硝子体手術を行う疾患が多く、緑内障手術、その他(外傷・薬物治療を要する症例)などがあります。硝子体手術は上記のように網膜剥離や黄斑前膜の症例が多く、糖尿病網膜症や硝子体出血、網膜下出血なども適応症例になります。
また、手術以外でもステロイドや抗生剤による薬物治療が必要な重症の炎症性疾患や感染症の症例も入院によるより強力な治療を行うこともあります。入院期間については疾患別や重症度によって変わりますが、状態が安定してきたらなるべく希望に添って柔軟に退院日を決めるように心がけています。
耳鼻咽喉科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 50 | 5.76 | 7.89 | 0.00 | 19.20 | |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり | 19 | 9.95 | 7.37 | 0.00 | 63.58 | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 18 | 8.72 | 7.04 | 0.00 | 66.00 | |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり | 17 | 2.00 | 2.04 | 0.00 | 60.94 | |
030390xx99xxxx | 顔面神経障害 手術なし | 15 | 13.93 | 9.26 | 0.00 | 65.00 |
広島県北~島根県南における耳鼻咽喉科・頭頚部領域疾患の急性期入院治療は、当院が一手に担っています。最も多い入院は扁桃摘出術です。その対象疾患は、小児~成人の慢性扁桃炎以外に、IgA腎症の治療を腎臓内科と、掌蹠膿疱症の治療を皮膚科と連携して協働で行っています。
次に多い入院は耳鼻咽喉領域の腫瘍です。腫瘍性病変は良性・悪性にかかわらずほとんどが手術治療となっています。
慢性副鼻腔炎手術や鼻内手術での入院は、もっぱら内視鏡手術のためのものです。通常の慢性副鼻腔炎(いわゆる、蓄膿)以外にも、副鼻腔真菌症、好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔良性腫瘍に対する内視鏡手術を多く扱っています。
睡眠時無呼吸症候群の診断、治療も積極的に行っています。外来での簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合、入院して精密検査を行います。重症度や気道の閉塞部位に応じて鼻治療や、マウスピースの作成を歯科に依頼したりします。重症の場合はCPAPという呼吸を補助する装置が保険適応となります。
顔面神経麻痺は突然顔の半分が麻痺する疾患です。ウイルスや自己免疫疾患の関与がある場合があります。当院では最新の標準治療を入院で積極的に行っています。
また、当院耳鼻咽喉科は、頭頚部がん専門研修施設・地域がん診療連携拠点病院として県北の頭頚部癌(喉頭癌、咽頭癌、副鼻腔癌、甲状腺癌、他)の治療を一手に担っています。放射線治療、化学療法、手術療法のいずれも標準的な治療を行える医療機器とスタッフが揃っています。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991x0x | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし | 90 | 2.33 | 2.53 | 0.00 | 72.23 | |
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 55 | 6.96 | 7.20 | 0.00 | 76.73 | |
11012xxx020x0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし | 27 | 5.48 | 5.62 | 0.00 | 62.59 | |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 | 24 | 11.92 | 12.63 | 0.00 | 71.88 | |
110070xx99x20x | 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり 副傷病なし | 19 | 11.11 | 10.97 | 0.00 | 72.95 |
当院泌尿器科では、地域がん診療連携拠点病院として、泌尿器科悪性腫瘍(膀胱がん、前立腺がん、腎がんなど)尿路結石の診断、治療(手術、化学療法など)を中心に行っております。診断群別患者数においても、膀胱悪性腫瘍の手術、前立腺悪性腫瘍の手術が上位を占めております。その他、男性生殖器疾患(急性前立腺炎、急性精巣上体炎など)、尿路結石の治療も行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 68 | - | 10 | 34 | 11 | 15 | 1 | 7,8 |
大腸癌 | 11 | 29 | 23 | 28 | 20 | 12 | 1 | 7,8 |
乳癌 | 26 | 14 | - | - | - | - | 1 | 7,8 |
肺癌 | 33 | - | 25 | 50 | 21 | 34 | 1 | 7,8 |
肝癌 | - | 13 | - | - | - | 20 | 1 | 7,8 |
当院は、地域がん診療連携拠点病院としてPET-CT他の最新医療機器をそろえ、がん診療を専門的に行える施設となっています。乳癌を扱う乳腺外科、肺癌を扱う呼吸器内科・呼吸器外科、他全身のがんに対応できるスタッフをそろえています。
がん外来化学療法センターは、10床のベッド・リクライニングチェアを稼動させています。1年におよそ250名のがん患者さんが、日常生活を自宅で過ごしながら、通院でのがん治療が行えるようになっています。
また、緩和ケア内科・緩和ケアチーム・がん相談支援センターを充実させましたので、身体的・精神的・社会的な問題も含めて全人的にがん患者をサポートする体制を整えています。
※10症例未満の場合、-(ハイフン)と表示してます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 14 | 8.93 | 53.64 |
中等症 | 65 | 16.26 | 76.86 |
重症 | 29 | 22.10 | 83.69 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
市中肺炎においては、重症度0(軽症)では外来での治療が基本になりますが、重症度1以上では入院での治療を検討します。その中でも当院では重症度1や重症度2の中等症の肺炎の患者数が多くなっています。重症度分類のA-DROPでは男性70歳以上・女性75歳以上に該当するとそれだけで重症度が1上がるため、当院の医療圏における高齢化の影響により中等症の患者数が増えていると考えられます。重症度が上がると平均年齢が上がり、平均在院日数も長くなる傾向があります。今後もさらに高齢化が進むことが予測されますので、より重症度の高い患者数が増え平均在院日数も長くなることが懸念されています。
※10症例未満の場合、-(ハイフン)と表示してます。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 123 | 27.74 | 78.18 | 42.19 |
その他 | - | - | - | - |
当院は、脳卒中地域連携パスで、病状が安定した慢性期脳梗塞患者さんを他施設と連携して治療にあたっています。そのため、リハビリテーションが必要な脳梗塞の患者さんの転院率は高くなっています。
脳神経外科医師3名と放射線科・救急外来などの少ないスタッフではありますが、超急性期の脳塞栓に対して、24時間体制で、tPA静注および血栓回収術が迅速に行えるように準備しております。救急来院からカテーテル治療を行うまでの時間が90分以内で可能となっており、よりよい結果が期待できる体制をとっております。
※10症例未満の場合、-(ハイフン)と表示してます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 99 | 0.77 | 2.25 | 0.00 | 69.72 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 59 | 1.32 | 11.71 | 1.69 | 74.95 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 43 | 3.12 | 19.30 | 13.95 | 75.35 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 38 | 1.34 | 10.34 | 21.05 | 73.45 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 35 | 5.26 | 9.40 | 0.00 | 74.40 |
胃や大腸など消化管の腫瘍性病変に対する内視鏡的切除術は症例豊富です。胆道系疾患や出血性疾患に対する内視鏡治療も多数行っています。冠動脈に対するカテーテル治療は上記以外に緊急例も多数あります。血液透析シャントに対するカテーテル治療も多数ありますが、主に外来で行っています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 73 | 1.11 | 3.18 | 0.00 | 69.97 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 66 | 1.41 | 7.98 | 0.00 | 60.82 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 42 | 4.38 | 22.45 | 7.14 | 76.55 | |
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 30 | 1.17 | 7.37 | 0.00 | 70.50 | |
K7181 | 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 27 | 0.44 | 3.41 | 0.00 | 34.19 |
外科の入院症例のほとんどは手術目的の入院です。当院はがん診療拠点病院であることより、悪性疾患では、いわゆる5大がん(=胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝臓がん)の手術症例が中心になっています。また、地域の中隔総合病院、急性期病院であることからも、良性疾患の手術症例=胆嚢疾患、ヘルニア(鼡径ヘルニア、大腿ヘルニア等々)、急性腹症(=急性虫垂炎、消化管穿孔、外傷等々)も幅広く施行いたしております。さらに、透析のためのシャント作製術、腹膜透析チューブ挿入術等も担っております。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) | 112 | 3.25 | 39.57 | 42.86 | 83.61 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(肩,股) | 48 | 3.94 | 35.71 | 54.17 | 83.98 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) | 28 | 2.50 | 47.04 | 7.14 | 64.36 | |
K0463 | 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) | 21 | 3.05 | 28.29 | 0.00 | 62.38 | |
K0821 | 人工関節置換術(肩,股,膝) | 20 | 1.80 | 37.55 | 10.00 | 71.35 |
整形外科では常勤医師5名(うち専門医2名)体制で年間900症例を超える手術を施行しています。
高齢者が多い地域のため,表に示すとおり骨折や変性疾患に対する人工関節置換術が上位を占め、平均年齢も60~80歳台と都市部の他病院と比較しても高い傾向にあります。
人工関節置換術は予定手術のため平均術前日数は2日程度ですが、外傷患者は初診・入院時に他疾患を併発していることも多く、合併症治療のため3日程度術前に要しています。
術後在院日数は股関節疾患では約40日弱と長いですが、リハビリ目的のため他病院に転院することなく、当院でリハビリまで完結し退院される患者も多いためです。前腕や手などの上肢手術では在院日数は短く、また低い転院率で当院のみの治療で完結させています。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 27 | 0.56 | 13.30 | 22.22 | 81.15 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | - | - | - | - | - | |
K1642 | 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) | - | - | - | - | - | |
K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステント) | - | - | - | - | - | |
K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) | - | - | - | - | - |
慢性硬膜下血腫の手術が最多で、穿頭洗浄術(局所麻酔)で約14日間の入院で、自宅退院も多い病気です。
脳血管内治療(カテーテル治療)としては、動脈瘤のコイル塞栓術や頚部内頚動脈狭窄のステント留置術などを行っており、高齢の患者さんでも体に優しいため選択されやすい治療です。 超急性期脳塞栓症に対して、発症から8時間以内で適応があれば、経皮的脳血栓回収術(カテーテル治療)を緊急で行える体制にしております。
※10症例未満の場合、-(ハイフン)と表示してます。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 68 | 1.69 | 6.81 | 0.00 | 32.06 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 29 | 2.93 | 7.14 | 0.00 | 29.83 | |
K877 | 子宮全摘術 | 20 | 1.00 | 7.40 | 0.00 | 48.60 | |
K8654 | 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) | 19 | 1.05 | 6.95 | 0.00 | 74.68 | |
K879 | 子宮悪性腫瘍手術 | 14 | 1.00 | 8.86 | 0.00 | 61.29 |
産科では選択帝王切開術や緊急帝王切開術などがおこなわれます。
婦人科では良性疾患では子宮筋腫などに対して子宮全摘術を開腹、または腹腔鏡下手術を、卵巣嚢腫などは腹腔鏡手術を主体に行っています。
悪性疾患に対しては、子宮頚部非浸潤癌に子宮頚部円錐切除術を、また婦人科癌に対する根治手術を行います。 骨盤臓器脱(子宮脱)なども増加しており、手術療法を行っています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 434 | 0.95 | 1.91 | 0.23 | 76.48 | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) | 68 | 0.72 | 7.43 | 0.00 | 67.63 | |
K2682 | 緑内障手術(流出路再建術) | 17 | 1.00 | 4.24 | 0.00 | 66.00 | |
K2683 | 緑内障手術(濾過手術) | 15 | 0.93 | 6.20 | 0.00 | 66.13 | |
K2821イ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの) | 13 | 0.92 | 1.46 | 0.00 | 75.62 |
手術患者数でみるとやはり白内障手術が多く、当科では入院でのみ行っています。片眼の手術では2泊3日の入院で、両眼の手術を同一入院で行うと4泊5日での入院となります。次いで多いのが硝子体手術であり、こちらも入院のみで行っています。網膜剥離のように術中にガスを入れる場合と黄斑前膜のようにガスを入れない場合では入院日数が変わってきて、ガスを入れる場合の方が長くなります。最近では小切開硝子体手術が導入されており、より安全で低侵襲に手術が行うことが出るようになったため、早期の退院が可能となってきています。
また、緑内障手術も行っており、病型によって線維柱帯切除術と線維柱帯切開術を選択して行っております。その他、翼状片の手術や眼瞼下垂や眼瞼内反症などの瞼の手術は主に外来手術で行っております。
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 47 | 1.00 | 4.17 | 0.00 | 21.79 | |
K4611 | 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) | 14 | 1.00 | 5.64 | 0.00 | 55.71 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 10 | 2.50 | 5.50 | 0.00 | 63.30 | |
K3892 | 喉頭・声帯ポリープ切除術(直接喉頭鏡又はファイバースコープによるもの) | - | - | - | - | - | |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | - | - | - | - | - |
病院での耳鼻咽喉科手術として口蓋扁桃摘出術と内視鏡下鼻副鼻腔手術が多いことは全国どの病院にあっても同じです。 さらに、当院では甲状腺腫瘍手術(良性・悪性)を多く扱っているのが特徴です。糖尿病・代謝内分泌内科と協働して、バセドウ病や副甲状腺種の手術も積極的に行っています。 扁桃周囲膿瘍は急激な進展があると窒息をきたす疾患です。緊急処置や気管切開を必要とすることもあり、入院での厳重な管理を必要とします。
また、頭頸部がん専門研修施設・地域がん診療連携拠点病院として、典型的な頭頸部がん手術の他、低侵襲な内視鏡下喉頭腫瘍切除を積極的に行っています。
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泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 55 | 1.18 | 5.29 | 0.00 | 76.80 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 25 | 1.12 | 3.40 | 0.00 | 76.80 | |
K843-2 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 | 24 | 1.17 | 9.75 | 0.00 | 71.88 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 20 | 0.75 | 8.00 | 5.00 | 75.70 | |
K8411 | 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) | 13 | 2.92 | 10.08 | 0.00 | 76.54 |
手術においては膀胱がんに対する経尿道的手術が最も多いです。灌流液に電解質溶液(生理食塩水)を用いており、水中毒などの合併症なく治療が可能です。次いで前立腺がん、腎癌、腎盂がんに対する腹腔鏡下悪性腫瘍手術を行っております。当科では、腹腔鏡手術、経尿道的手術などの低侵襲手術を積極的に取り入れております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 12 | 0.21 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 19 | 0.33 |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 25 | 0.43 |
異なる | - | - |
本項は医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして公表しています。
当院では、三次地区の透析施設よりの透析患者の合併症(透析シャント閉塞、CAPD腹膜炎)の治療入院の受け入れを行っており、そのため「手術・処置等の合併症」の発生率が高い傾向にあります。
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更新履歴
R01.09.30 病院指標公開