臨床実績 CLINICAL PERFORMANCE

平成27年度 市立三次中央病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 629 143 175 289 272 418 1,131 1,378 1,480 347

平成27年度に退院した患者を対象としています。
年齢は一般病棟に入院した時点での年齢で集計しています。

【解説】
当院は、広島県北地域の急性期中核病院として幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいております。
高齢化率が35%を超えるようになった県北では、脳卒中・心筋梗塞が多いことが特徴です。また、地域がん診療拠点病院として標準的ながん診療(診断と治療)を行っていますので、60歳以上の患者さんの割合が多くなっています。
一方、小児と新生児・乳幼児の医療を担う病院としても重要な役割を演じています。地域周産期母子医療センターであり、24時間体制で小児救急を受けております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 110 3.24 3.07 0.00 69.55  
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 98 17.43 14.34 4.08 78.03  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 88 30.28 21.69 19.32 82.74  
 

【解説】
高齢者が多い地域であり、動脈硬化性疾患や肺炎の入院が多くなっています。また肺炎のなかでも誤嚥を貴院とする肺炎患者がかなり多くなっています。誤嚥性肺炎の患者さんの多くは高齢であり再発例もしばしばで、さらにもともと体が不自由なことも多いため在院日数が長くなりがちです。
また、なかなか自宅退院が難しい患者さんも多く、当院での急性期治療終了後もしばらく慢性期治療施設に入院を続ける方も相当数いらっしゃいます。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 107 4.91 5.72 0.00 2.12  
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 86 5.28 6.31 0.00 4.48  
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 26 4.81 5.54 0.00 2.35  
 

【解説】
当院小児科は小児一般外来、小児の夜間休日救急外来を行っております。入院は急性気管支炎、喘息性気管支炎、RSウイルス感染症などの呼吸器系の急性疾患や、ロタウイルス腸炎、ノロウイルス腸炎などの消化管感染症が主です。近隣の開業医の先生からの紹介も積極的に受け入れています。外来では、気管支喘息、てんかん、低身長なども慢性疾患も扱っています。低身長の検査入院、食物アレルギー負荷試験も行っております。当院で治療が難しい疾患は、専門の病院に紹介をさせていただいています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 48 14.88 13.03 0.00 70.02  
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 43 17.86 17.41 0.00 68.79  
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 28 22.04 20.63 0.00 69.89  
 

【解説】
外科の入院症例のほとんどは手術目的の入院です。当院はがん診療拠点病院であることより、悪性疾患では、いわゆる5大がん(=胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝臓がん)の手術症例が中心になっています。また、地域の中核総合病院、急性期病院であることからも、良性疾患の手術症例=胆嚢疾患、ヘルニア(鼡径ヘルニア、大腿ヘルニア等々)、急性腹症(=急性虫垂炎、消化管穿孔、外傷等々)も幅広く施行いたしております。さらに、透析のためのシャント作製術、腹膜透析チューブ挿入術等も担っております。
なお、悪性疾患に対する化学療法は、ほとんどを外来治療で行っています。終末期医療は、緩和ケアチーム(専門医・看護師・薬剤師で結成)と密に連携を取って行っています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 118 55.77 28.70 50.00 85.08  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 29 53.69 27.21 0.00 79.48  
160835xx01xx0x 下腿足関節周辺骨折 骨折経皮的鋼線刺入固定術 前腕、下腿等 副傷病なし 14 54.14 24.79 14.29 50.29  
 

【解説】
高齢者比率が高い地域であり、転倒などによる下肢骨折患者も多いため上記診断群分類別では下肢骨折症例が上位を占めますが外傷のみでなく人工関節置換術など変性疾患も多数手術しています。
表にはありませんが、肩・膝を中心とした鏡視下手術や上肢末梢神経障害・腱損傷などの手術も施行しており、整形外科一般にわたって幅広い治療を行っています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 31.03 15.80 39.39 79.39  
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 36.06 19.32 57.58 73.58  
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 33 28.00 18.08 36.36 76.97  
 

【解説】
脳神経外科では、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)・頭部外傷・てんかん・脳腫瘍などに診療を行っています。
当院には神経内科がないため、手術を行わない急患での脳梗塞や脳出血も脳神経外科で治療行いますが、そのような患者さんが多数です。
24時間対応できるように、内科的治療だけでなく、適応があれば脳血管内治療(カテーテル治療)や開頭手術も準備しています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 166 6.54 6.17 0.00 0.00  
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 96 8.84 9.94 0.00 32.11  
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 44 6.73 11.59 0.00 0.00  
 

【解説】
産科主要例は切迫早産・既往帝切後妊娠・双胎妊娠・妊娠高血圧症候群・子宮内胎児発育不全などの母体管理、分娩停止・骨盤位・前期破水・微弱陣痛、などがあります。
ベビ-に関しては生下時体重2200~2500g未満の低出生体重児、一過性多呼吸の新生児・新生児黄疸の治療・管理は産科で行っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 23 10.96 11.08 0.00 64.65  
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 20 6.70 7.99 0.00 69.65  
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 16 7.38 9.57 0.00 79.31  
 

【解説】
当科における入院はほとんど白内障手術症例ですが、白内障手術はDPCではなく、短期滞在入院という別の分類に属するため、その他の疾患が対象になります。
上記の表のように硝子体手術を行う疾患が多く、次いで緑内障手術が続き、その他(外傷・薬物治療を要する症例)などがあります。硝子体手術は上記のように網膜剥離や黄斑前膜の症例が多く、糖尿病網膜症や硝子体出血、網膜下出血なども適応症例になります。
また、手術以外でもステロイドや抗生剤による薬物治療が必要な重症の炎症性疾患や感染症の症例も入院によるより強力な治療を行うこともあります。入院期間については疾患別や重症度によって変わりますが、状態が安定してきたらなるべく希望に添って柔軟に退院日を決めるように心がけています。

耳鼻いんこう科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 34 6.24 8.20 0.00 18.41  
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 25 9.32 5.31 0.00 69.76  
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 24 8.17 7.76 0.00 53.63  
 

【解説】
広島県北の、耳鼻咽喉科急性期入院治療は当院が担っています。最も多い入院は扁桃摘出術です。その対象疾患は、小児~成人の慢性扁桃炎以外にIgA腎症の治療を腎臓内科と連携して協働で行っています。
めまいの診断と治療も当院は専門的に扱っています。多くはメニエル病・前庭神経炎といった内耳疾患の保存的加療となっていますが、外リンパ瘻のように手術を必要とする疾患もあります。
慢性副鼻腔炎での入院は、もっぱら内視鏡手術のためのものです。通常の慢性副鼻腔炎(いわゆる、蓄膿)以外にも、副鼻腔真菌症、副鼻腔良性腫瘍に対する内視鏡手術が多いです。当院では、さらに鼻内視鏡を利用した側頭(下)窩腫瘍手術・副咽頭間隙腫瘍などの頭蓋底手術を低侵襲で行える技術力とスタッフが揃っています。
また、当院耳鼻咽喉科は、頭頚部がん専門研修施設・地域がん診療連携拠点病院として県北の頭頚部癌(喉頭癌、副鼻腔癌、他)の治療を担っています。放射線治療、化学療法、手術療法のいずれも標準的な治療を行える医療機器とスタッフが揃っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 53 7.47 7.59 0.00 75.49  
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 18 15.44 14.03 0.00 65.39  
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 手術なし 14 6.50 8.55 0.00 64.71  
 

【解説】
当院泌尿器科では、地域がん診療連携拠点病院として、泌尿器科悪性腫瘍(膀胱がん、前立腺がん、腎がんなど)の診断、治療(手術、化学療法など)を中心に行っております。診断群別患者数においても、膀胱悪性腫瘍の手術、前立腺悪性腫瘍の手術が上位を占めております。その他、男性生殖器疾患(急性前立腺炎、急性精巣上体炎など)、尿路結石の治療も行っております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 54 - 13 33 - 16 1 6,7
大腸癌 21 34 20 28 - 14 1 7
乳癌 30 14 - - - - 1 7
肺癌 50 16 37 57 30 43 1 7
肝癌 - - 13 - - 30 1 6,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

※病期分類基準 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
平成27年度に退院した患者を対象としています。
10症例未満(ゼロを含む)は、個人情報保護のためハイフンとして表示しています。

【解説】
当院は、地域がん診療連携拠点病院としてPET-CT他の医療機器をそろえ、がん診療を専門的に行える施設で、他全身のがんに対応できるようスタッフをそろえています。
がん外来化学療法センターは、10床のベッド・リクライニングチェアを稼動させています。1年におよそ250名のがん患者さんが、日常生活を自宅で過ごしながら、通院でのがん治療が行えるようになっています。
また、緩和ケア内科・緩和ケアチーム・がん相談支援センターを充実させましたので、身体的・精神的・社会的な問題も含めて全人的にがん患者をサポートする体制を整えています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - - -
重症度 1 24 14.08 76.67
重症度 2 32 19.88 82.84
重症度 3 16 20.00 82.63
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
 

平成27年度に退院した患者を対象としています。
10症例未満(ゼロを含む)は、個人情報保護のためハイフンとして表示しています。ここでいう成人とは20歳以上をさし、市中肺炎は、入院後48時間以上経過した後に発症する院内肺炎や高齢者・高度医療の結果生じる医療・介護関連肺炎以外の、一般には社会生活を営む健常人に発症する肺炎をさします。重症度分類は、A-DROPスコアを用いています。重症度分類の各項目が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。

【解説】
市中肺炎においては、重症度0(軽症)では外来での治療が基本になりますが、重症度1以上では入院での治療を検討します。その中でも当院では重症度1や重症度2の中等症の肺炎の患者数が多くなっています。重症度分類のA-DROPでは男性70歳以上・女性75歳以上に該当するとそれだけで重症度が1上がるため、当院の医療圏における高齢化の影響により中等症の患者数が増えていると考えられます。重症度が上がると平均年齢が上がり、平均在院日数も長くなる傾向があります。今後もさらに高齢化が進むことが予測されますので、より重症度の高い患者数が増え平均在院日数も長くなることが懸念されています。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - 11 7.09 74.18 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 - 109 33.82 79.68 43.12
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - 10 8.70 68.30 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
 

平成27年度に退院した患者を対象としています。
10症例未満(ゼロを含む)は、個人情報保護のためハイフンとして表示しています。
転院率は、対象疾患ごとの「転院患者数÷退院患者数」で集計しています。

【解説】
当院は、脳梗塞地域連携パスで、病状が安定した脳梗塞患者さんを他施設と連携して治療にあたっています。
そのため、リハビリテーションが必要な脳梗塞の患者さんの転院率は高くなっています。脳神経外科医師3名と放射線科・救急外来などの少ないスタッフではありますが、超急性期の脳梗塞に対して、tPA静注および血栓回収療法が迅速に行えるように準備しております。
救急来院からカテーテル治療を行うまでの時間が90分以内で可能となっており、よりよい結果が期待できる体制をとっております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 188 1.20 2.86 0.00 67.87  
K654 内視鏡的消化管止血術 40 2.25 22.28 12.50 72.85  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 37 1.49 8.84 0.00 71.57  
 

【解説】
内視鏡による結腸ポリープ・粘膜切除術は入院のうえ行っていますが、短期間でほとんどの患者さんが問題なく退院されます。消化管出血に対する内視鏡治療や、主に肝臓癌などへの血管塞栓術、選択的抗癌剤投与も比較的多く行っています。
このほか冠動脈に対するカテーテル治療の患者さんについては診断群別分類患者数に入っています。また血液透析シャントに対するカテーテル治療も多数行っていますが、主に外来で行っていますので 上記の患者数上位に入っていません。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 61 1.33 3.62 0.00 67.15  
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 51 3.35 16.43 0.00 70.06  
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 35 3.77 9.80 0.00 69.11  
 

【解説】
外科の入院症例のほとんどは手術目的の入院です。当院はがん診療拠点病院であることより、悪性疾患では、いわゆる5大がん(=胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝臓がん)の手術症例が中心になっています。また、地域の中核総合病院、急性期病院であることからも、良性疾患の手術症例=胆嚢疾患、ヘルニア(鼡径ヘルニア、大腿ヘルニア等々)、急性腹症(=急性虫垂炎、消化管穿孔、外傷等々)も幅広く施行いたしております。さらに、透析のためのシャント作製術、腹膜透析チューブ挿入術等も担っております。
なお、悪性疾患に対する化学療法は、ほとんどを外来治療で行っています。終末期医療は、緩和ケアチーム(専門医・看護師・薬剤師で結成)と密に連携を取って行っています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 115 6.70 52.51 40.87 81.23  
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 36 7.28 44.39 47.22 84.42  
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 34 2.26 51.50 0.00 78.47  
 

【解説】
整形外科では常勤医師5名(うち専門医2名)体制で年間600症例を超える手術を施行しています。
高齢者が多い地域のため、表に示すとおり下肢骨折や変性疾患に対する人工関節置換術が上位を占め、平均年齢も80歳前後と都市部の他病院と比較しても高い傾向にあります。
人工関節置換術は予定手術のため平均術前日数は2日程度ですが、外傷患者は初診・入院時に他疾患を併発していることも多く、合併症治療のため7日程度術前に要しています。
術後在院日数は約50日前後と長いですが、リハビリ目的のため他病院に転院することなく、当院でリハビリまで完結し退院される患者も多いためやや長い日数となっています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1781 脳血管内手術(1箇所) 28 1.64 31.64 17.86 71.89  
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 22 0.32 14.73 13.64 81.64  
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) 11 0.36 72.55 81.82 64.64  
 

【解説】
通常は慢性硬膜下血腫の手術が多いはずですが、2015年4月より脳血管内治療を行える体制となり手術件数としては最多となりました。
脳血管内治療としては、動脈瘤のコイル塞栓術や頚部内頚動脈狭窄のステント留置術などを行っており、高齢の患者さんでも体に優しいため選択されやすい治療です。
慢性硬膜下血腫は、穿頭洗浄術(局所麻酔)で約2週間の入院で自宅退院も多い病気です。
脳内出血に対しては、適応があれば開頭血腫除去(全身麻酔)行いますが、後遺症もありほとんどが転院治療が必要で、地域連携での医療を提供しています。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 85 3.09 6.89 0.00 32.85  
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 61 2.20 7.23 0.00 31.02  
K877 子宮全摘術 36 1.28 7.86 0.00 52.83  
 

【解説】
産科では緊急帝王切開術や選択的帝王切開術などが行われます。
婦人科では良性疾患では開腹による子宮全摘術、適応があれば腹腔鏡下手術も行っています。
中山間地域のためか、高齢に伴う子宮脱なども増加しており、手術療法を行っています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 560 0.92 1.01 0.00 77.05  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 71 1.56 7.31 0.00 66.97  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 17 1.18 5.71 0.00 69.71  
 

【解説】
手術患者数でみるとやはり白内障手術が多く、当科では入院でのみ行っています。片眼の手術では2泊3日の入院で、両眼の手術を同一入院で行うと4泊5日での入院となります。
次いで多いのが硝子体手術であり、こちらも入院のみで行っています。網膜剥離のように術中にガスを入れる場合と黄斑前膜のようにガスを入れない場合では入院日数が変わってきて、ガスを入れる場合の方が長くなります。最近では小切開硝子体手術が導入されており、より安全で低侵襲に手術が行うことが出るようになったため、早期の退院が可能となってきています。
また、緑内障手術も行っており、病型によって線維柱帯切除術と線維柱帯切開術を選択して行っております。その他、翼状片の手術や眼瞼下垂や眼瞼内反症などの瞼の手術は主に外来手術で行っております。

耳鼻いんこう科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 34 1.00 4.24 0.00 18.41  
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 19 1.32 6.11 0.00 58.79  
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 13 1.00 5.85 0.00 53.69  
 

【解説】
病院での耳鼻咽喉科手術として口蓋扁桃摘出術と内視鏡下鼻副鼻腔手術が多いことは全国どの病院にあっても同じです。
さらに、当院では甲状腺腫瘍手術(良性・悪性)を多く扱っているのが特徴です。糖尿病・代謝内分泌内科と協働して、バセドウ病や副甲状腺種の手術も行っています。
また、頭頸部がん専門研修施設・地域がん診療連携拠点病院として、典型的な頭頸部がん手術の他、低侵襲な内視鏡下喉頭腫瘍切除も積極的に行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 37 2.35 4.32 0.00 75.97  
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 18 2.50 11.94 0.00 65.39  
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 17 2.47 5.06 0.00 74.94  
 

【解説】
手術においては膀胱がんに対する経尿道的手術が最も多いです。灌流液に電解質溶液(生理食塩水)を用いており、水中毒などの合併症なく治療が可能です。次いで前立腺がんに対する腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を行っております。当科では、腹腔鏡手術、経尿道的手術などの低侵襲手術を積極的に取り入れております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 19 0.30
異なる 12 0.19
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 40 0.63
異なる - -
 

平成27年度に退院した患者を対象としています。
10症例未満(ゼロを含む)は、個人情報保護のためハイフンとして表示しています。
発生率は、「各項目ごとの症例数÷病院全体の退院患者数」で集計しています。

【解説】
本項は医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして公表しています。
当院では、三次地区の透析施設よりの透析患者の合併症(透析シャント閉塞、CAPD腹膜炎)の治療入院の受け入れを行っており、そのため「手術・処置等の合併症」の発生率が高い傾向にあります。

更新履歴

H28.09.30 病院指標公開